Nigel Spencer のSIM放浪記

レースシムについての備忘録です。

レースSIMの為にCPUを交換した話(前編)

SIMレーサーの皆様、ご機嫌よう!

暫くぶりの更新となってしまいました(汗

 

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この度、SIMに使用する自作PC環境に手を加え、CPUをRyzen7 5800X3Dに交換しましたので、その顛末を書きたいと思います。


今回は前編として交換に至った経緯とかを。

なお、以下のゲーム動作に関する記述は、あくまで私の環境での、私の主観に基づく意見であり、理論的根拠は何らありませんので、ご参考まで。

 

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⚫︎レース中のフレームレートが安定しない

 特にAssettoCorsa Competizione(以下ACC)やrFactor2(以下rF2)で顕著なんですが、特にレースのスタート時や接近戦でのカクツキが気になるんです。

 そういう状況って、特にマルチはSAレートも掛かってるからお互い接触にとても気を使うし、迷惑かけないよう操作に神経使ってます。

 ただ単に映像がコマ送りになるだけなら、画質を落とせばFPS自体は稼げる筈ですし、まだ諦めもつくのですが。

 ただ、ACCは根本的に動作が重めなSIMな上、結構画質下げても上記のシチュエーションだと不安定になりがちなのと、FPS低下してる時はハンコンのFFBを介して伝わる情報も、欠落している印象なんですよね。。。

 このままでは走る迷惑行為になってしまう!?と思うと、マルチレースへの参加も気が引けてしまいます。

 また、集団を抜け単独で走っている場合でも、時折スタッタリング(吃音)と呼ばれる一定リズムでのプチフリを感じる瞬間があります。

 根本的にACCとRadeonと相性が悪い可能性も考えられ、RTX4080や4090に手を出すしか無いのか。。。と考えると憂鬱です。

 

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⚫︎これまでの私のPCの構成

 まず前提として、私はVR(Meta Quest2)ユーザーです。従ってGPUに要求される性能水準も、自ずと高いものになっている事は御承知ください。

 元々AssettoCorsa(無印。以下AC)で遊ぶ事を想定して組んでいた私のPCの構成は以下です。


CPU: AMD Ryzen5 5600X

M/B: AsRock B550M Pro4

RAM: DDR4 3200MHz 32GB

SSD: NVMe 1TB

GPU: Radeon RX6800XT


 6コア12スレッドのRyzen5を選んだのは、ゲームにはマルチコア性能よりシングルコア性能が効くというイメージがあり、実際購入時は5600Xの評判は良かったです。何より学生時代からIntelよりAMD贔屓だったことも大きい(笑)

 そしてGPUも同様でNvidiaではなく…昔から業界2番手が好きなんです(苦笑)。DX11ベンチスコア比で、コスパが非常に良いのも決め手でした。

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⚫︎FPS低下の原因を考察する

 そんな感じで組んだMy自作PCでしたが、2年弱使用してみて、冒頭の症状が気になっています。

 近年のPCゲームにおける快適さは、ある程度GPU性能が占めるとはいえ、私が使っているRX6800XT自体はミドルハイクラスのパワーがあるGPUですし、周囲に車両や構造物が多くない状況では、キチンと欲しいフレームレートは出ています。

 以下は私の推論ですが、3Dオブジェクトが近接している状況で処理が重くなるということは、pc側でそれらの物理演算の負荷が上がっている=CPUの処理が追いついていないのでは?という疑念が。

 またそれに拍車をかけるように、Youtubeなどで ACCのfps値を公開している動画やフォーラムを見ていくと、ACCは CPU負荷も大きい?という情報が。。。

 特にRyzen7 5800X3Dの評判がとても良い。

 ゲーミングだけなら上位クラスのCore i9に喰らいつく性能を発揮するとも。気になって仕方ありません!

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⚫︎AMDの3D V-Cacheについて

 そもそも5800Xと5800X3Dって?5700X3Dっていうのもあるよね。何が違うの?という話ですが、ごくごく簡単に言ってしまえば、第3世代Ryzen7のL3キャッシュ特盛りモデルが、5800X3Dになります。そして数字が少ない5700X3Dというのは動作クロックを少し下げ、製造国が中国になった廉価モデルに当たります。

 L3キャッシュが増えるとなぜゲーミング性能が向上するのか?は私は情報工学の専門家ではないので判りません(笑)結果がそうなるとAMDが主張しているからそうなのです!

 ただ、この効果が得られるかどうかは、ゲームタイトルの特性や、各ユーザー毎の使用環境にも左右されるとの情報もあります。

 

⚫︎Ryzen7 5800X3Dという商品を取り巻く状況

 上記のような特色を持つ5800X3Dですが、人気の証か、それとも単に供給数が少ないのか、市場では品薄が続いています。

 中古市場はほぼ枯渇状態で、メルカリなどのフリマアプリだと新品価格を上回る値付けでの出品も珍しくありません。

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 一方で、既に後継モデルの7800X3Dが発売されており、そちらもネットでの評判は非常に良いです。

 しかしながら、そちらとはソケット形状が異なるため、旧環境のAM4マザーボードでは物理的に使用できません。対応するAM5マザーやDDR5メモリはまだ高価なんですよね。。。

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 一方同じくAM4を使用する前述の5700X3Dも気になる存在。心配されていた日本市場では販売されないのでは?という予想をよそに、2024年2月よりデビューを果たしました。

 元々5800X3Dをダウンクロックして運用すると、ゲーミング性能をほぼ犠牲にせず、低消費電力化できるらしく、それが出荷時から設定されているイメージでしょうか。

 ただ、まだ発売された直後ということもあり、価格が高い。。。正規販売店で比較すると5800X3Dと数千円しか変わりません。

 これではあまり旨味がない?

 そんなことを考えてまとめたのが、以下のメリット・デメリットのリストになります。


⚫︎私が考えた5800X3Dを選ぶメリット

・下位モデル5700X3Dと4000円差しかない

・AM4環境で最高のゲーミング性能なのは間違いない

・iRacing等でFPS向上効果有という報告例あり

・これからさらに続きそうな円安傾向

・3DV-Chash技術自体は7800X3Dと変わらない

・7800X3D導入するよりトータルで3万円は安くすむ

・16コアの core i7 13700kより1.7万円も安い

・中古価格も高止まりしてて、在庫もほぼ無い状況

・将来の新製品に向けたAMDへご祝儀(笑)

 

⚫︎私が懸念した5800X3Dを選ぶデメリット

・正規代理店価格とはいえ5万円弱は高い。単価は最新モデルの7800X3Dと変わらないですよ!

・すでに発売から2年経つ旧モデルであること

・レビューを見る限り熱と消費電力は気になる

・4KやVRなどの高画質環境だと効果薄いかも?

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⚫︎私の結論

 4.7万円の値札は正直高いですが、現行AM4環境を延命させ6800XTを活かしきれれば、あと数年は遊べそうに思います。また最近の為替の円安傾向は今後暫く続きそうな予感がするので、次世代ハードやSIMソフトが出てきても国内で入手するのは割高になることが避けられないかなと。

 無限に湧いてくる物欲に一旦区切り(諦め)をつける為にも、効果的な投資だと判断しました。

 またAM4最強ゲーミングCPUというロマンと、ZEN5で9800X3Dなどのまたトンデモない性能の製品を出してくれることへの期待を込めて、AMDへのご祝儀としようかなと。


 そんな私の判断は、果たして吉でるか凶とでるか

 実際の取り付けレビューは後編でお送りしたいと思います、乞うご期待!